サイレンが鳴り響いていた

救急車のサイレンの音がわりと近くで鳴っていることがよくある。

この半年くらいの間に前の家とお隣の家に停まっていたのを見た。

前に住んでいたアパートの前の住宅にも停まっていたのを見た。

走っている救急車でなく今まさに人を搬送する所であるという救急車ってこんなに頻繁に見るものなのだろうか。

ここは年寄りの割合が圧倒的に多い田舎なのでそれが日常なのかもしれない。

今日も日曜日の昼間から救急車のサイレンの音が近づいてくる気配がした。

家族が身内の家なのではないだろうかと心配した後で近所に住む犬が救急車に運ばれて行けばいいのにと言った。

我が家の近所にはここ最近飼われ始めた犬がいて、その犬の昼夜を問わない鳴き声に家族は不眠で悩まされている。

犬が救急車で運ばれていくことなどあるのだろうかと私は思い、家族は犬に呪詛の言葉を唱え始めた。